Pile of Index Cards - メインページ: https://poic2023.capture.jp/ - はじめに: https://poic2023.capture.jp/page_a-1/ - PoIC とは?: https://poic2023.capture.jp/page_a-2/ - メインシステム: https://poic2023.capture.jp/page_b-1/ - サブシステム: https://poic2023.capture.jp/page_b-2/ - ガジェット: https://poic2023.capture.jp/page_b-3/ - 4カード: https://poic2023.capture.jp/page_c-1/ - 時系列スタック法: https://poic2023.capture.jp/page_c-2/ - PoIC 規格: https://poic2023.capture.jp/page_c-3/ - 仮想メモリとしての野帳: https://poic2023.capture.jp/page_c-4/ - カードを書く: https://poic2023.capture.jp/page_d-1/ - 再生産する: https://poic2023.capture.jp/page_d-2/ - PoIC を通じて見えたこと: https://poic2023.capture.jp/page_e-1/ - 参考資料: https://poic2023.capture.jp/page_e-2/ - 引用コレクション: https://poic2023.capture.jp/page_e-3/ - 情報カードの比較: https://poic2023.capture.jp/page_f-1/ - 43Tabs システム: https://poic2023.capture.jp/page_f-2/ - 再帰する情報: https://poic2023.capture.jp/page_f-3/ # 引用コレクション PoIC の中の人の本棚から。 ## Contents * [1 書くことについて](#書くことについて) * [1.1 内なる声](#内なる声) * [1.2 とにかく書き始める](#とにかく書き始める) * [1.3 メモの効用](#メモの効用) * [1.4 カードも名前で呼ぶ](#カードも名前で呼ぶ) * [1.5 天神様も情報カードユーザー](#天神様も情報カードユーザー) * [1.6 最善の「一」を「積」み重ねる](#最善の一を積み重ねる) * [2 時系列について](#時系列について) * [2.1 過去に向かって点をつなぐ](#過去に向かって点をつなぐ) * [2.2 ぼくの歴史順1](#ぼくの歴史順1) * [2.3 ぼくの歴史順2](#ぼくの歴史順2) * [3 ぼくの歴史順2](#ぼくの歴史順2) * [3.1 PEACE 法](#peace-法) * [3.2 いかにして問題をとくか](#いかにして問題をとくか) * [3.3 数学は自然の話す「ことば」](#数学は自然の話すことば) * [3.4 十牛図](#十牛図) * [3.5 自分のドックに種を蒔こう](#自分のドックに種を蒔こう) * [3.6 逆境の中にこそ幸せの種子](#逆境の中にこそ幸せの種子) * [4 ものづくり・デザイン](#ものづくりデザイン) * [4.1 一つの指輪](#一つの指輪) * [4.2 礎の石](#礎の石) * [4.3 良いデザインとは](#良いデザインとは) * [4.4 作る喜び](#作る喜び) * [4.5 Think different](#think-different) * [5 再帰・創発・相転移](#再帰創発相転移) * [5.1 自分自身を語らしめるシステム](#自分自身を語らしめるシステム) * [5.2 再帰性と予測不可能性](#再帰性と予測不可能性) * [5.3 「創発」という考え方](#創発という考え方) * [5.4 ランダムの中から秩序が立ち上がる](#ランダムの中から秩序が立ち上がる) * [5.5 適応するシステム](#適応するシステム) * [5.6 From "Being" to "Becoming"](#from-being-to-becoming) ## 書くことについて #### 内なる声 > 一番大切なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです。それらは、あなたが本当になりたいものを既に知っています。その他の全てのことは二次的なものです。 > > > [スティーブ・ジョブス, スタンフォード大学 学位授与式, 2005年6月12日.](http://news-service.stanford.edu/news/2005/june15/jobs-061505.html) _\[リンク切れ\]_ #### とにかく書き始める > 書く作業でもっとも難しいのは、「始めること」だ。イナーシャ(慣性)が大きいのである。 > > > [野口悠紀雄, 「超」整理法, p. 177, 1993](https://amzn.to/3RipCcB "isbn=9784121011596"). #### メモの効用 > 心に浮かんだ考えや見聞きした事実は、必ず書き留めておく習慣を付けるべきだ。そのほうが強く印象に残り、重要なことを忘れずにすむ。ベーコンは数多くの草稿を残して死んだが、それには「執筆用に書き留めた断想」というタイトルが付けられている。 > > パイ・スミスは、若いころ父親のもとで製本工の見習いをしていたが、当時から自分の読んだ本は抜粋して写し、自らの批評も書き留めるという習慣を養った。彼は、生涯を通じて資料収集に熱心に取り組んだが、「常に学び、常に進歩し、常に知識を蓄積していった」と伝記作家にいわしめるほどの努力家であった。こうして書き留めたメモ帳が、書物を著す際に古今の事例の無尽蔵の宝庫になったのは、言うまでもない。 > > 名医ジョン・ハンターも、記憶力の弱さをメモで補っていたし、折りにふれてメモの効用を説いていた。彼はこう語っている。「考えたことや見聞きしたことを書き留めるのは、商人が棚卸しをするのと同じだ。それをしないと、自分の店に何が置かれていて何が足りないのか、さっぱり分からないじゃないか。」 > > > [サミュエル・スマイルズ, 自助論—人生の師・人生の友・人生の書, 2003](https://amzn.to/44RWITQ "isbn=4837956300"). #### カードも名前で呼ぶ > 人間は他人の名前などいっこうに気にとめないが、自分の名前になると大いに関心を持つものだということを、ジム・ファーレーは早くから知っていた。自分の名前を覚えていて、それを呼んでくれるということは、まことに気分のいいもので、つまらぬお世辞よりもよほど効果がある。 > > > [デール・カーネギー, 人を動かす, p.p. 105-106, 1999.](https://amzn.to/44W6uVi "isbn=9784422100517") #### 天神様も情報カードユーザー > ・・・そして、そこにはまた、彼(注:菅原道真)が日々に勉学して抄出したカード類がたくさん保管してあった。曰く、「学問の道は抄出を宗とす。抄出の用は藁草を本と為す・・・、故に此間に在りとし在る短札は、惣てこれ抄出の藁草なり」と。 > > > [リンボウ先生の書斎のある暮らし, 林望, 2003.](https://amzn.to/45KnQFz "isbn=9784334782047") #### 最善の「一」を「積」み重ねる > 一の字、積の字、甚だ畏る可し。 > 善悪の幾も初一念に在りて、善悪の熟するも積累の後に在り。 > > > [佐藤 一斎, 言志四録 (2), p.p. 56-57, 1979.](https://amzn.to/45NG3lR) ## 時系列について #### 過去に向かって点をつなぐ > あなたは、点を将来に向かってつないでいくことはできません。あなたができるのは、点を過去に向かってつないでいくことだけです。だから、各々の点が、将来何らかの形で必ずつながるという信念を持たなくてはならなりません。あなたは、ガッツ、運命、人生、カルマ、どんな形であれ、信念を持っています。このやり方のおかげで、私は人生において、ねじ伏せられることはありませんでした。そして、全ての場面において、私の人生を変えてくれました。 > > > [スティーブ・ジョブス、スタンフォード大学 学位授与式、2005年6月12日.](http://news-service.stanford.edu/news/2005/june15/jobs-061505.html) _\[リンク切れ\]_ #### ぼくの歴史順1 > (ロブをライブに誘おうとディックが家に訪ねて来る) > > ディック:「レコードの整理をしてたんだね。・・・並べ方は年代順?」 > ロブ  :「いいや」 > ディック:「ABC 順でもないよね?」 > ロブ  :「違う。・・・ぼくの歴史順だ」 > ディック:「そんな手のかかる・・・」 > ロブ  :「ディープ・パープルからハウリン・ウルフまでは25枚。 >       そして、フリートウッド・マックのこれは、1983年の秋、贈り物として買ったけど、 >       結局個人的な理由で送らなかったことを思い出せば見つかる」 > ディック:「それはなんだか・・・」 > ロブ  :「落ち着く」 > ディック:「ああ」 > > > [スティーブン・フリアーズ監督, ジョン・キューザック主演, ハイ・フィデリティ(DVD 版), 2005](https://amzn.to/468LPho). #### ぼくの歴史順2 > ローラがいたころ、レコードはアルファベット順に並んでいた。その前は年代順だった。最初はロバート・ジョンソン、最後はワム!か、もしくはアフリカのミュージシャン。ローラと出会ったころに聞いていたレコードだ。しかし今は、違うやりかたを試してみようと思っている。レコードを買った順に並べることはできるだろうか。そうすることで、ペンをとらずに、自伝をつづってみたい。ぼくはレコードを棚から全部出し、いくつかの山にわけて床じゅうに積み上げていく。最初に探すのは《リボルバー》だ。そうやって進めていき、作業が終わると、ぼくは自分でいることの充足感にひたる。結局のところ、これがぼくだ。どうやって、たった二十五枚で、ディープ・パープルからハウリン・ウルフまでたどりついたのか、よくわかる。独身生活を強いられながら、そのあいだずっと〈セクシュアル・ヒーリング〉を聞いていた時のことも胸を痛めず思い出せるし、十代の頃、みんなで集まってジギー・スターダストやトミーのことを話せるように、学校でロック愛好会を作ったときの記憶も恥ずかしくならずに思い出せる。 > > だが、なによりよかったのは、新しいファイリング・システムを創造して、すっかり安心できたことだ。ぼくは、自分自身を必要以上に複雑にしていた。ここには二千枚からのレコードがある。ぼくでなければ ー もしくは、ロブ・フレミング学の博士号でもなければ、なにがどこにあるか見つけだすことはできないだろう。もしジョニ・ミッチェルの〈ブルー〉が聞きたくなったら、一九八三年の秋、ある女の子にあげようと思って買ったレコードだったことを思い出せばいい。なぜ彼女にあげなかったのかは、ここでは明かしたくない。とにかく、そういうことを知らなければ、誰にも特定のレコードのありかなどわからないわけだ。ぼくに頼んで、ひっぱりだしてもらうしかない。そのことが、なぜだか、とても心地よく感じられる。 > > > [ニック ホーンビィ, ハイ・フィデリティ, p.p. 77-78, 1999](https://amzn.to/46a82Mn "isbn=9784102202111"). ## 問題解決のプロセス #### PEACE 法 > 1. **P**roblem(問題) > 2. **E**motion(感情) > 3. **A**nalysis(分析) > 4. **C**ontemplation(思索) > 5. **E**quilibrium(安定) > > > > [ルー・マリノフ, 考える力をつける哲学の本, 2002](https://amzn.to/46bBDFf "isbn=9784837956075"). #### いかにして問題をとくか > * 問題を理解しなさい:「何が未知か、何が与えられているか、何が条件か」を自分に問いかけなさい。 > * 絵を描きなさい:素描、グラフ、マインドマップなど。問題を視覚的に理解しなさい。 > * 似たような問題を探しなさい:多分、これと同じような問題を、過去に経験しているはずです。常にゼロから出発する必要はありません。 > * 関連する問題を解きなさい:その問題を解くことができそうにない時は、関連した問題を解いてみなさい。 > * 検算しなさい:答えが出たら、確認しなさい。正確な答えを知らない時は特に重要です。 > > > > [ジョージ・ポリア, いかにして問題をとくか, 1999.](https://amzn.to/3RikoOm "isbn=9784621045930") #### 数学は自然の話す「ことば」 [![](2930490857_4afdfe35ed_m.jpg)](2930490857_4afdfe35ed_m.jpg) [](2930490857_4afdfe35ed_m.jpg "Enlarge") *[拡大する](http://www.flickr.com/photos/hawkexpress/2930490857/)* > (マックス・コーヘンは数学者。株価のパターンを探す過程で、次のような仮定を考えた) > > 1. 数学は、自然の話す「ことば」である。 > 2. 私たちの身の回りのすべて事象は、数字を使って表現できる。 > 3. あるシステムに現れる数字をグラフ化すると、パターンが現れる。 > 4. したがって、私たちの身の回りには、至るところにパターンがある。 > > > > [Darren Aronofsky, π, 1998](http://www.imdb.com/title/tt0138704/). [Aronofsky.Net](http://aronofksy.tripod.com/piexclusive1.html) #### 十牛図 > 1. 尋牛(じんぎゅう) > 2. 見跡(けんせき) > 3. 見牛(けんぎゅう) > 4. 得牛(とくぎゅう) > 5. 牧牛(ぼくぎゅう) > 6. 騎牛帰家(きぎゅうきか) > 7. 忘牛在人(ぼうぎゅうそんじん) > 8. 人牛倶忘(じんぎゅうぐぼう) > 9. 返本還源(へんぽんけんげん) > 10. 入鄽垂手(にってんすいしゅ) #### 自分のドックに種を蒔こう > 人生が与えてくれるものは、自分が人生に与えたものに他ならない。自分が種を蒔いたものだけを刈りとるのだ。知識を得るために時間と金を費やし、知るべきことをすべて知り尽したなどと驕らず、絶えず向学心を持つこと。 > > > W. D. ギャン, ウォール街での45年. #### 逆境の中にこそ幸せの種子 > 逆境の中には、それがひどいものであればあるほど、その中に逆境のひどさに見合った、強力な幸せの種子(たね)が隠れているのです。不幸を幸運に変える、つまり逆境であればあるほど、貴重な体験を重ねることができるのです。 > > > [ナポレオン・ヒル, 思考は実現化する, p. 45, 1999/2004](https://amzn.to/487ZNCf "isbn=9784877710514"). ## ものづくり・デザイン #### 一つの指輪 [![](2073468146_e1cb800de1_m.jpg)](2073468146_e1cb800de1_m.jpg) [](2073468146_e1cb800de1_m.jpg "Enlarge") *[拡大する](http://www.flickr.com/photos/hawkexpress/2073468146/)* > 一つの指輪は全てを統べ、 > 一つの指輪は全てを見つけ、 > 一つの指輪は全てを捕らえて、暗闇の中に繋ぎとめる。 > > [J・R・R・トールキン, 指輪物語](https://amzn.to/3rdlT5B). #### 礎の石 > 家を建てる者たちの見捨てた石。 > それが新しい家の礎の石となった。 > > > 新約聖書, マタイ伝, 21:42 #### 良いデザインとは > * 良いデザインは単純である。 > > * 良いデザインは永遠である。 > > * 良いデザインは正しい問題を解決する。 > > * 良いデザインは想像力を喚起する。 > > * 良いデザインはしばしばちょっと滑稽だ。 > > * 良いデザインをするのは難しい。 > > * 良いデザインは簡単に見える。 > > * 良いデザインは対称性を使う。 > > * 良いデザインは自然に似る。 > > * 良いデザインは再デザインだ。 > > * 良いデザインは模倣する。 > > * 良いデザインはしばしば奇妙だ。 > > * 良いデザインは集団で生起する。 > > * 良いデザインはしばしば大胆だ。 > > > > > [ポール・グレアム, ハッカーと画家, p. 137-150, 2005](https://amzn.to/3PAYFQq "isbn=9784274065972"). #### 作る喜び [![](189967397_3d45491268.jpg)](189967397_3d45491268.jpg) [](189967397_3d45491268.jpg "Enlarge") *[拡大する](http://www.flickr.com/photos/hawkexpress/189967397/)* > なぜプログラミングは楽しいのだろうか。 > プログラミングする人は、一体どんな満足を得ようとしているのだろう。 > > > * 物を作り上げる純粋な喜び。 > > * 他の人々の役に立つものを作ることの楽しさ。 > > * 複雑なパズルのような組み立て部品を完成させ、それが巧妙に転回するのを眺める面白さ。 > > * つねに新しいことを学ぶという喜び。 > > * 非常に扱いやすいメディア(媒体)で作業する喜び。 > > > > プログラミングが楽しいのは、私たちの心の深くに宿っている創作意欲を満たしてくれるからであり、 > また、わたしたちすべての人間に共通な感覚を楽しませてくれるからだと言える。 > > > [フレデリック・P・ブルックス Jr., 人月の神話 - 狼人間を撃つ銀の弾はない, pp. 6-8, 2002](https://amzn.to/48a9UpY "isbn=9784621066089"). #### Think different > クレイジーな人を讚えよう。 > 反逆者、やっかい者、トラブルメーカー。 > 四角い穴に打ちこまれた、丸い杭。 > モノゴトを違うところから見ている人々。 > > 彼らはルールが大嫌い。 > 現状維持など気にもかけない。 > > あなたは彼らを称賛することも、反論することも、引用することもできる。 > 疑うことも、美化することも、中傷することもできる。 > 一つだけあなたにできないことがあるとしたら、それは彼らを無視することだ。 > > なぜなら、彼らはモノゴトを変えるから。 > 彼らは発明し、想像し、癒す。 > 冒険し、作り、鼓舞する。 > 彼らが人類を前に押し進める。 > > 彼らはたしかにクレイジーには違いない。 > そうでなければ、いったい誰が無地のキャンバスに芸術作品を見いだすことができるだろうか。 > いったい誰が静寂の中に座り、いままで書かれたことのない歌を聴くことができるだろうか。 > あるいは、赤い惑星をじっと見つめて、移動実験室の夢を見ることができるだろうか。 > > 人々に「クレイジー」としか見られない人の中に、私たちは「天才」を見る。 > > 「自分は世界を変えることができる」と考えるほど十分クレイジーな人が、 > 本当に世界を変えるのだ。 > > > [アップルコンピューター, アップル宣言, 1998.](https://amzn.to/3Ljzhfw "isbn=9784883209088") (真野 流氏, 北山 耕平氏の訳を Hawkexpress が改変) ## 再帰・創発・相転移 #### 自分自身を語らしめるシステム > ゲーデルは、論理式を論理式として扱うのではなく、論理式をゲーデル数という数で表した。そして、数を使って形式的体系に関する述語を作り、メタ数学的な主張を展開した。そうやって、自分自身のことを述べる - つまり自己言及に成功したのだ。 > > > [結城浩, 数学ガール - ゲーデルの不完全性定理, p. 361, 2009.](https://amzn.to/48mHfOO "isbn=9784797352962") #### 再帰性と予測不可能性 [![](2143315172_ee78302871.jpg)](2143315172_ee78302871.jpg) [](2143315172_ee78302871.jpg "Enlarge") *自分自身について考えるシステム。* > 再帰的列挙とは、新しいものが古いものから一定の規則によって出現する過程のことである。そのような過程には、びっくりすることがたくさんあるように思われる ー たとえば Q 列の予測不可能性がその一例である。再帰的に定義されるその種の数列には、行動の複雑さのある本質的な増大が伴うらしく、先に進めば進むほど、予測がさらに困難になる。このような考えをさらに推し進めると、適度に複雑な再帰的システムはどんな予定されたパタンからも逃れられるくらい強力であるらしい。そして、これこそ知性の要件のひとつではなかろうか? 自分自身を再帰的に呼び出す手続きから成るプログラムを考えるだけでなく、もっと技巧的な、自分自身を修正できるプログラム ー 自分自身に働きかけて拡大し、改良し、一般化し、修理できるプログラムを発明するのはどうだろうか? この種の「もつれた再帰性」はおそらく知性の核心部分にかかわっている。 > > > [ダグラス・R・ホフスタッター, ゲーデル、エッシャー、バッハ ー あるいは不思議の環, p. 165, 1985.](https://amzn.to/487wyiN "isbn=9784826901253") #### 「創発」という考え方 [![](1928846821_64eee882d8_m.jpg)](1928846821_64eee882d8_m.jpg) [](1928846821_64eee882d8_m.jpg "Enlarge") *PoIC は、ボトム・アップに得られた知識から、トップ・ダウンにフィードバックが掛かるシステム。* > ラングドンの図式を借りれば、下位のレベルにある個々の構成要素間の局所的相互作用から、上位レベルにあるなんらかの大域的構造が出現する。この構造によって規定された全体的な特性が今度は下方へフィードバックされ、構成要素のふるまいに影響を及ぼす。この図式を下からだけ見れば機械論的な見方になるし、上だけから見れば生気論的ないしは目的論的な見方になる。唯一、複雑系の科学だけが上下双方向の見方を統一的に捉えることができ、その際のキーワードが創発だというわけである。 > > 構成要素間の局所的な相互作用が系全体の大域的構造を生成するという点では、創発は相転移以外の ー 外部条件の有無という決定的な違いはあるにせよ ー 何ものでもない。また、創発される構造が、要素だけを見ていては予測できない、言い換えれば「全体は部分の総和ではない」という点では、非線形現象の特性そのものである。 > > > [吉永良正, 「複雑系」とは何か, p.p. 106-108, 1996.](https://amzn.to/464U8Ls "isbn=9784061493285") #### ランダムの中から秩序が立ち上がる > さて、生命現象もすべては物理の法則に帰順するのであれば、生命を構成する原子もまた絶え間のないランダムな熱運動(ここに挙げたブラウン運動や拡散)から免れることはできない。つまり細胞の内部は常に揺れ動いていることになる。それにもかかわらず、生命は秩序を構成している。その大前提として、"われわれの身体は原子にくらべてずっと大きくなければならない" というのである。 > > それは、すべての秩序ある現象は、膨大な数の原子(あるいは原子からなる分子)が、一緒になって行動する場合にはじめて、その「平均」的なふるまいとして顕在化するからである。原子の「平均」的なふるまいは、統計学的な法則にしたがう。そしてその法則の精度は、関係する分子の数が増せば増すほど増大する。 > > ランダムの中から秩序が立ち上がるというのは、実はこのようにして、集団の中である一定の傾向を示す原子の平均的な頻度として起こることなのである。 > > > [福岡 伸一, 生物と無生物のあいだ, p. 141, 2007.](https://amzn.to/3Zfw4TD "isbn=9784061498914") #### 適応するシステム > 適応とは組織の持つ本質的な性質の現れとして、つまり栄養作用の一つの姿として考えられる。新しい、思いがけない状態は、さまざまな姿で生起するが、生理作用もそれと同じく多様に変化する。しかし、不思議なことに、成し遂げようとする目的に向かって自己を形成していく。時間と空間を、知性で考えるのと同じには評価しないように思われる。組織は、すでにあるものも、まだできていないものも、その空間的な形に応じて同じ平易さで構成していく。胎児として成長している間、網膜と水晶体は将来目となるもののためにと連合している。適応力は組織および体全体が持っているばかりでなく、組織を構成しているそれぞれの要素も有している性質なのである。個々の細胞は、ちょうど蜜蜂が巣のために働くように、全体のために行動するように見える。そして、未来のことを知っているように思われる。その未来のために、組織は構造や機能を前もって変え、それに備える。 > > > [アレキシス カレル, 人間 この未知なるもの, p.p. 265-266, 1992.](https://amzn.to/44QNaZn "isbn=9784837905110") #### From "Being" to "Becoming" > 「なべての物は流れ、すべて <ある> はなく <なる> のみ」 > > > ヘラクレイトスの言葉 via [イリヤ・プリゴジン, 存在から発展へ, 1984](https://amzn.to/44KrzSh "isbn=9784622025429"). ---- - [参考資料](../page_e-2/ "参考資料") << [メインページ](../ "メインページ")