情報カードの比較

情報カードの比較 #

「情報カード」はPoIC を構成する重要な要素の一つです。ここでは、情報カードについて簡単に説明します。

コレクトの情報カード 5x3 方眼(C-3532)。

Contents #

情報カードとは? #

いわゆる情報カード(英語では Index Cards、インデックスカード)とは、5インチ x 3 インチ (127 mm x 76 mm) のカードです。日本では、この他に、6インチ x 4 インチ、B6 サイズ、また、海外では 5インチ x 8 インチのサイズなども存在します。5x3 サイズは、図書館で蔵書の索引(インデックス)を作るのに長い間使われてきました。また、6x4 と B6 サイズは、研究者の間で人気があるようです。

日本における情報カード #

日本の文房具メーカーの一つであるコレクトは、様々な種類の情報カードを販売しています。サイズは名刺、5x3、6x4、B6、紙幣サイズ、種類は無地、罫線、方眼があります。世界的に見ても、これだけバラエティに富んだ情報カードがあるのは、日本だけのようです。

それでは、情報カードは日本ではポピュラーであると言えるでしょうか。私は「Not yet」だと思います。情報カードは、まだまだマイナーな存在です。実際、文房具屋に行ってインデックスカードを見つけるのは大変です。5x3のサイズがないこともしばしばです。

このような中で、B6 サイズの情報カードは、研究者の間で人気があります。文房具屋や大学の生協では比較的見つけやすいです。これは、1960年代に、梅棹忠夫氏(元京都大学教授、現・国立民俗学博物館顧問・名誉教授)が、著書「知的生産の技術」の中で、B6 サイズのカードを使った情報整理技術を紹介したことによります。B6 サイズのカードは、「京大式カード」として良く知られています。

コレクトの方眼カード #

世界堂のインデックスカードコーナー。

コレクトの方眼カードについて、ちょっと詳しく見てみます。世界のカードの比較表を見ると、コレクトの方眼カードだけが世界で唯一の5 mm 間隔グリッドです。6mm 間隔グリッド に比べると、全体的に引き締まった感じがします。コレクトの方眼カードの束を上から見ると、切り口に現れるグリッドの線がちゃんと揃っています。これも世界的に見て非常に珍しいようです。タグを付けた時に、ピチッと揃っているのを見ると、なんだか気持ちいいものです。

大きさは、一般の5x3カードよりもほんの少しだけ小さくなっています(125 mm x 75 mm)。グリッドが “5” mm 間隔で、サイズが “125” mm x “75” mm。125と75は5で割り切れます。これが、コレクトの方眼カードの上辺のグリッドがいつも揃っている秘密です。

コレクトのカードは、再生紙を使っていません。そのため、表面はツルツルで、ペンのインクがしみ込んでしまうこともありません。これは、カードを書く時の労力を幾分か減らしてくれます。

私の主観で言えば、コレクトの方眼カードはマスターピース、職人芸の域に達していると思います。これがその辺の文房具屋で買えるのは、実はとてもすごいことなのかもしれません。

東京・新宿での調査 #

東京・新宿での情報カードの販売状況を調べるため、「世界堂 新宿本店」に行ってきました。新宿本店は、地下鉄丸ノ内線、新宿3丁目駅から徒歩5分の距離です。

世界堂本店は、5、6階からなるビルで、文房具・画材を販売しています。インデックスカードは、1階に置いてありました。ほとんどがコレクトの製品で、サイズは名刺、5x3、6x4、B6 があり、種類は、無地、プリント用、方眼、6 mm 罫線、8 mm 罫線がありました。カードボックス(ドック)、見出しカード、パース(携帯用カード入れ)も置いてありました。

東京でも、これだけ情報カード関連製品が置いてあるところは珍しいです。

情報カードを使う人にとっては、まさにメッカと言えるかもしれません。:)

アメリカにおけるインデックスカード #

Patrick & Co.のインデックスカードコーナー。

仕事でサンフランシスコに行った際に、空いた時間を利用してインデックスカードを探してみました。SFMOMA の近くに、Patrick & Co. という文房具屋を発見しました。店舗はビルの一階を占め、規模からすると中規模。世界堂と比べるのはあまりフェアーではないかもしれません。店員さんは気さくな方で、写真の撮影を快く許可して下さいました。

ペン類、ポストカード、封筒などが大量に売っています。インデックスカードのコーナーは、店の奥の方にありました。 5x3、6x4、さらに大きいサイズ(8x5?)も置いてありました。作っている会社は、Oxford 社、Mead 社の2社。在庫の量は、日本でもアメリカでもあまり変わらないように見えました。日本の情報カードと違っていて面白かったのは、青・黄色・赤など、カラーバリエーションが多かったことです。種類は、無地・罫線がありましたが、方眼は見当たりませんでした。

Patrick & Co. からしばらく歩くと、今度はオフィス・デポを見つけました。ここには、オフィス・デポブランドのインデックスカードが置いてあり、その中に方眼カードを発見しました。

アメリカの方眼カード #

アメリカで売られている方眼カードを見て、非常に驚かされました。Lepard 氏と Gregkise 氏が指摘しているように [リンク切れ] 、カードの束を上から見た時、グリッドの線がまったくバラバラだった、ということです。これでは、タグを付けるためにカードの方眼を利用する方法が使えません。コレクトの方眼カードしか見たことの無かった自分にとっては、これは衝撃的でした。

その他に気付いた点としては、グリッドの間隔が違っています。コレクトのものは 5 mm 間隔なのに対し、オフィス・デポの方眼は 6 mm 間隔です。コレクトの方眼カードを使い続けてきたので、私の目には 5 mm の方眼の方が、全体に引き締まった感じに見えました。

5x3 情報カードの比較表 #

製造元 タイプ* カットとグリッド** グリッド間隔**
コレクト(日本) p, pp, r, rl, rv, q 揃っている 5 mm
L!fe(日本) p, r, c, q 揃っている 6 mm
コクヨ(日本) p, r - -
Oxford [リンク切れ] (U.S.) p, r, c, q ランダム 6 mm
Office Depot (U.S.) p, c, q ランダム 6 mm
Mead [リンク切れ] (U.S.) p, r, c - -
Ampad [リンク切れ] (U.S.) p, r, c - -
3M (U.S.) rs, rs+c - -
Exacompta (France) q+c 揃っている 5 mm

* → p : 無地, pp : 無地プリント用, r : 罫線, rl : 罫線図書, rv : 罫線タテ, rs : 罫線ポストイット, q : 方眼, c : カラー
** → 方眼カードに関して

情報提供:Leopard [1] [リンク切れ] , Gregkise [2] [リンク切れ] , John [3] [リンク切れ] , Ayalan [4], David [5], Alina Mikadze [6], Picolin (in personal communication).

外部リンク #